幼なじみの不器用な愛し方
用意された台詞のように、すらすらと並べ立てられる言葉達。


「そうしてお前は、俺との関わりと、俺の連絡先を手に入れた。美月の友達の“メグちゃん”として。

その後顔を合わせれば挨拶くらいはするようになったんだから、成功だよな。下心なんてありませんって顔に、俺もすっかり騙されたよ。

花火大会の時から気になってたってのがほんとなら、女優になれんじゃね?」

「……っ」

「嫌がらせで美月を少しずつ疲弊させて、タイミングを窺って。俺達の仲が拗れた隙を狙って、あくまでも必要な用件を引っ提げて俺に近付いたんだろ。今度は、同級生の“上原”として」


隣で、菊池が薄く笑ったのが見えた。

そこに乗った意味が畏怖か称賛か、わたしにはわからない。


「約束が反故になったタイミングで美月と俺がまた一緒にいるようになって、受験も思うようにいかなくて、嫌がらせがエスカレートした──ってのが俺の推理なんだけど、どう?」


重みのある声色が一転して、最後は戯けたトーンになる。

それが却って怖いよ、とつい苦笑いが漏れた。


メグちゃんの肯定も反論も、すぐには聞こえてこなかった。

落ちた沈黙に耐えかねて身じろぎしたタイミングで、
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