幼なじみの不器用な愛し方
「んー……。好きにすれば? としか。

俺個人としては、そんなことされても痛くも痒くもねーしなぁ……」

「は……?」


え……?

追い詰められるどころか飄々とした物言いに、わたしもメグちゃんも呆気に取られる。

菊池だけが唯一、真剣な顔のまま耳をそばだてていた。


「俺が芸能界にいるせいであいつが傷つけられるなら、俺はいつだって仕事なんて捨てられる。そもそも俺、今の事務所入ったのだって美月が理由だし」


……え?

思いがけない発言に、わたしは目を丸くした。

ずっと不思議だった。目立つことが苦手なはずだったのに、どうしてスカウトを受けたのか。

有斗の性格を考えれば、興味ないの一言で終わらせそうなものなのに。


「俺の行動原理はいつだってあいつだよ。だから、好きにすればいい。理想の神崎有斗しかいらないんだろ、お前は」


メグちゃんが何かを言う前に、ただ、と低い声が響く。


「タレントのプライベートを悪意込めて流出させられたら、うちの事務所は黙ってないと思うよ」


一高校生が、大手芸能プロダクションを相手に闘えるわけがない。

有斗側に、やましいことがないのなら尚のこと。
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