幼なじみの不器用な愛し方
理解が追い付かなくて、間抜けな声が漏れる。

ど、どういうことですか、有斗さん。


「だから……ただの中学生じゃなくなれば、美月に近づこうとするやつらが俺には敵わねーって思うと思って……スカウトを受けたんだよ」


俯いてしまった有斗の顔は見えない。

だけど、髪から除く薄い耳は真っ赤に染まっていた。


「な……何それ! そんな理由だったの……!?」

「そんな理由ってなんだよ。こちとら死活問題だったんだぞ。ただでさえ昔から人気だったのに、中学に上がって更に男どもが騒ぎ始めたんだから」

「人気って……告白とか、全然されたことないよ? 有斗の気のせいじゃないの?」

「……んなの、俺が牽制しまくってたからだし」


くぐもった声で語られる事実に、わたしの顔にも熱が集まる。

人気があったなんて自覚は微塵もない。それらは全て、この幼なじみの妨害があったかららしい。


「お互いに親が仕事で忙しくて、昔から一緒に過ごすことが多くて。

おまえだって寂しいはずなのに、泣きべそかく俺の手を握って、『みつきがいっしょだからだいじょうぶだよ』って笑ってさ。

……あの瞬間、俺が一生傍にいるんだって思った。俺が美月のことを守るんだって」
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