幼なじみの不器用な愛し方
「……っ」

「他のやつになんか譲れるかよ。誰よりも俺が一番、おまえのこと好きなんだから」


身を乗り出してわたしの横に手をついた有斗が、ゼロ距離で愛を囁く。


あぁ……そうだったんだ。

勉強だってスポーツだって難なくこなしてしまう有斗は、器用なんだと思っていた。

だけど、そうじゃないんだね。

こんなにも不器用にまっすぐに、わたしのことを愛してくれていたんだ。


「……何笑ってんだよ」

「だって。かわいいなぁって思って」


ともすれば重いとすら捉えられることでも、愛おしく思えるのだから恋ってやつはすごい。

18年間一緒にいて初めて知る事実が嬉しくてクスクスと笑っていると、ベッドに腰掛けた有斗がきゅっと眉を寄せた。

それから──


「えっ……!?」


肩を押されたと思った瞬間、視界が反転した。

状況を理解するよりも早く、唇が塞がれる。


「ん……んー!!!」


突如降ってきたキスの嵐に、目の前がチカチカした。

息が続かなくて、わたしに覆い被さる有斗の胸をどんどん叩くけれど、びくともしない。

やがて力が弱められ、我が意を得たり!とばかりに息を吸い込む。

と、その瞬間。


「ん……っ!?」
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