【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
ソフィアは何か調べたい事がある時は、邸にある図書室を頻繁に使っていた。
今回も一緒に行く旅行という事で、ドルレアン国に興味深々だったのかもしれないわね。
まだ出発までは日にちがあるとは言え、すぐに調べてきちゃうなんて、それほど楽しみにしているという事かしら。
ソフィアのそんな気持ちが伝わってきて、胸が温かくなる。
陛下に頼んでみて本当によかった。
「ここにメモを書いてみたの」
「どれどれ……」
ソフィアに渡されたメモを読んでみると、ドルレアン国に関する事が事細かに書いていて、私は驚きのあまり手が震えてしまう。
メモも小さな紙ではなく大きめの紙にびっしりと書かれていたのだ。
もう文字の読み書きはほとんど出来るようになったので、こんな事も出来ちゃうのね。
凄い……もちろんオリビアも歴史などは習っているので、ドルレアン国についての知識はある程度頭には入っている。
その為、あらためて学ぼうとする姿勢が欠けていた私は、ソフィアのそういった姿勢を見て、深く反省したのだった。
書かれている内容についても色々と感心させられるけど、何より――――
「こんなに難しい文字も読めるのね。 しっかり書いているし、凄いわ!」
おそらく5歳の子供が読むような本じゃないと思うのよね……ソフィアって実は天才なのではないかしら。
親バカみたいになってしまうけれど手放しで褒めると、ソフィアは頬を赤くして俯きながら照れている様子に見えた。
う――ん、可愛い。
思わず抱きしめて頭をなでてしまう。
「ソフィア、わざわざ調べてメモまで書いてくれてありがとう。 とっても読みやすくまとめてあるし、助かったわ」
「ほかの国に行くときは、その国の文化を調べてから行くのがいいって、先生が教えてくれたから」
「世界史を教えてくださっているイーサン先生ね」
「うん!」
ソフィアはお父様の計らいで、普段から専属の先生にお勉強を教えてもらっている。
そしてその一人がイーサン先生だった。
他国の歴史、自国の歴史など、様々な知識を持っているおじいちゃん先生は物腰が柔らかく、ソフィアはイーサン先生のお話を聞くのがとっても好きなのよね。
先生が教えた事がしっかり身についているようだし、きっとイーサン先生もこの話を聞いたら喜ぶに違いないわ。
「先生の教えた事をしっかりと守るなんて偉いわ。 ソフィアは優秀ね! じゃあ優秀な子はしっかりと睡眠をとって頭をスッキリさせなくてはいけないから、そろそろ寝ましょうか」
「はいっ!」
私の言葉に背筋を伸ばして正座をしながら返事をしてくる。
素直で真面目で優秀だなんて、褒めるところしかないわね。
ソフィアの成長をヒシヒシと感じながら、その日も一緒に眠りに就いたのだった。