【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「信仰を失った人々の受け口をどうするか……教会は心の支えでもあったからな。純粋に信仰していた者たちにとっては我々が敵に思えるのだろう」
「仕方のない事とは言え……しかしマリア様が方々へと出向いてくださって、人々の心を癒してくださっているようです」
「……そうだな」
神の代わりは神にしか出来ない、とでも証明するかのようにマリアの存在が民の救いになってきているのは確かだった。
それ自体はとても助かっている。しかし――――
私がニコライに言葉を返そうとした瞬間、執務室の扉が勢いよく開いたのだった。
――――バンッ――――
「…………扉は静かに開いてくれ、マリア」
「ヴィル、今日こそ話をつけにきたわ」
私に向かって覚悟を決めた目をしながらこちらを睨んでいるマリアは、ニコライにはにこやかに挨拶をして、私の机に両手をついた。
まったく、この国にきて数カ月は経つのに、全く淑女らしさが身に付かないな。
私が呆れたような溜息を吐くと、彼女から溜まりに溜まった不満をぶつけられる。
「陛下からドルレアン国に行く話を聞いて、何度もお願いしたのに、なんで私を連れて行くって言ってくれないの?!」
「またその話か。今回は国賓として行くんだ。王族と婚約者以外は連れて行けないと――」
「私は聖女なのだから特に問題ないと陛下も仰ってくださったわ!オリビアだって喜ぶに決まってる!反対してるのはヴィルだけじゃない……!!」