【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】

 「オリビア……君がそう言うのなら止めはしない。気を付けて行くんだよ。まぁきっと殿下が君を守ってくださると思っておりますが」


 もちろん何があってもオリビアを守る覚悟ではあったが、ニコニコしながらも彼女に傷1つでもつければただでは済まさないと言わんばかりの公爵からの圧に、身が引き締まる思いで公爵邸を後にしたのだった。

 未来の舅……お義父上の言葉だからな。しっかりしなくては。


 翌日に王宮で母上とオリビアと4人で話した時、父上はクラレンス公爵の態度などお見通しで、そう言うだろうと分かっていたから私を向かわせたと仰った。


 母上の母国であるドルレアン国は、我が国と辛うじて国交があるものの、他国とはあまり交流はなく、貧国になりつつある。

 そのくせ好戦的なので厄介な国で、公爵領での教会の騒動によって人身売買が明るみになったが、彼の国では今もそんな事が横行しているのも分かっている。


 子供たちが連れ去られていった現場でもあるから……オリビアが気にするだろうという事も容易に想像がつく。


 そのような場に愛娘を行かせるというのは、親としてすんなりと了承は出来ないだろう。

 私を彼女のもとへと向かわせて、オリビアの口から行きますと言わせる事が父上の狙いだったと分かってはいたものの、父上本人の口から聞くと若干呆れてしまうものだ。
 

 父上はのらりくらりとしていながら、いつも先の先を考えているような方なので、父上が私とオリビアをドルレアン国へ向かわせる狙いが何なのかはまだ分からないが、その狙いに乗ってみるかと考えたのは、新婚旅行という言葉に釣られたのではないとだけは弁明しておく。

 
 断じて甘い蜜に飛びついたわけではない。断じて。


 王宮から公爵邸への帰り道の馬車で、未だに母上と話す事には慣れずに、上手く会話出来ないでいる私を気遣ってか、オリビアが面白い顔をして笑わせてくれたりもした。

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