【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「そうなのよ、ソフィアって天才なの。それにしても、あそこで撃沈しているのは……」
「あ、マリア様です……」
ラスが言いにくそうに教えてくれる。マリアも一緒にカードゲームをしていたらしく、一度も勝てなくて撃沈しているらしい。
「そ、それはご愁傷さまね」
「ご……?」
「あ、残念ねってこと!」
つい日本での言葉が出てきてしまいそうになるから、気を付けなければ。
ラスが不思議に思って聞き返してきたけれど、何とか笑ってやり過ごしたのだった。そこへヴィルが突然私とラスの間に入ってくる。
「ラス、なぜこの部屋に君がいる?今は通訳は必要ないはずだ」
「宰相様にいつ呼ばれてもいいように待機していなさいと言われておりますので」
「部屋の中にいる必要はない」
「ちょ、ちょっとヴィル。ソフィアの相手もしてくれていたんだから……」
ヴィルとラスを交互に見ながら、様子のおかしいヴィルをジッと見つめた。
ここに来てからラスをとても警戒しているのには気付いていたけれど……何の理由もなしにこんな態度を取るとも思えないし、ひとまずそれ以上は言わない事にしておこう。
ラスの方はヴィルに何を言われてもどこ吹く風と言った表情で、相変わらずニコニコしている。
我が国の王太子に凄まれても動じないって……それだけでも只者ではない感じもするけども。