【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
――――その頃の男湯――――
「うふふ、温泉気持ちいいですね!」
「……………………」
「………………どうしてお前も一緒に入っているのだ、ラス。それにレジェク殿下まで」
「いいじゃないですか、ここは私の城なのですから。皆で仲良く入りましょう」
ゼフは相変わらず無言でお湯に浸かっているのはいいとして、いつの間にか合流していたレジェク殿下とラスも一緒に入ってきたのだった。
殿下はまだいいとして……この少年は我々が警戒しているのを分かっていながら、こちらを警戒する素振りが全くない。
あの殺気は只者ではない感じがしたのだが、気のせいなのか?それとも全て分かっていてこのような天真爛漫な態度をしているのだろうか。
ラスの目的が全く読めず、その事も私の頭を悩ませていた。
特にオリビアやソフィア達に危害が加わるような事になるのだけは避けなくてはいけない……のに動きが予測不能だ。
「まぁ、細かい事は気にせず温泉を楽しみましょう」
「気にするなと言う方が無理な話だ。港でのお前の……」
「シッ、オリビア様に聞かれちゃいますよ」
私と一気に距離を詰めたラスは耳元でそう言うと、ニヤリと笑ってまた無邪気な顔に戻る。
動きが速い……!
ゼフが警戒している姿を見ると、やはり港での姿は気のせいではないらしい。