【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
ゼフはこちらが応援する間もなく、対戦相手を一ひねりでたおし、一瞬で勝利をおさめていた。腕相撲なのに対戦相手が一回転してしまっている。
「ゼフって凄い……負ける気がしないわね、ソフィア」
「うん、ゼフ勝ってよかった」
「次はレジェク殿下よね」
私たちが固唾を飲んで見守っていると、レジェク殿下はいい勝負をしたものの惜しくも敗れてしまったのだった。
まぁ、彼は肉体派という感じではないものね。
こちらに戻って来ようとしている姿が目に入ったけれど、なんとなく腕相撲をした腕を気にしているようにも見える。
「腕を痛めたように見えるわ」
私がポツリと呟いた言葉をマリアは聞いていて、「あ、本当だ。腕相撲しそうにない人だし……ちょっと私、行ってくる!」と言って、一目散に走って行ったのだった。
彼女の聖力って傷を癒す事も出来るのかしら。
聖女って凄い。それにマリアは思った事を正直に言うだけで、困った人を放っておけないし、とても優しい女の子なのよね。
遠目からレジェク殿下の傷を治している様子を見て、思わず微笑ましく感じてしまう。
「オリビア様、次は王太子殿下が」
イザベルに言われてステージの方を確認すると、ヴィルが登場し、お相手はヴィルの二倍はありそうな巨漢だった。
こんなの勝てるわけないわよ……。
「体格差があり過ぎるわ。体重別とかはないの?」
「そのようなルールはないようです。でも殿下なら大丈夫かと思います、オリビア様の応援があれば」