【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
さっきまでとても落ち込んでいたようだけれど、褒めたらあっという間にご機嫌になってくれたわ。
エントリーしている顔ぶれを見て、正直ヴィルがここまで勝ち上がるとは思っていなかったので、素晴らしいんじゃないかと思う。
相手が悪かっただけよね、ゼフが超人過ぎるもの。
当の本人は猛者たちに担ぎ上げられて、しばらく戻ってくる気配はない。
「ゼフはどうしようかしら」
「………………あれはひとまずあのままにしておこう。ゼフにはやってもらいたい事もある」
「?」
2人で対戦する前に何か話したのかしら。私が何か聞こうとする前にヴィルが話を続ける。
「この国には炭鉱夫が沢山いるようではないですか、レジェク殿下。我が国としても実に興味深い。ぜひ現場を見る機会を設けていただきたいのですが」
「なに?」
さすが、ヴィル。抜け目ないわね……やっぱり気になっていたのね。
レジェク殿下はヴィルの話に表情がやや曇っているように見える。
「私からもお願いいたします。明日でもよろしいので。まだ滞在日数はありますから可能、ですわよね?」
「……え、ええ。もちろんです」
私がジッと見つめると視線を逸らすレジェク殿下の反応を見ていると、何かありそうな雰囲気がプンプンしてくるわね。
新たな資源となると、ハミルトン王国としても政治的な話をしたいところでしょうし、これまで多岐にわたって支援してきた国を差し置いて他国に優先的に取引をされては、面目も立たないというもの。
これほどまでに炭鉱夫がいるのだから、かなり現場は賑わっているに違いない。
「明日が楽しみだわ。一旦お城に戻りましょうか」
皆が頷いたので、ゼフの事はヴィルに一任するとしてお城に戻る事にした。
帰りは腕相撲大会の話でもちきりになり、イザベルは優勝賞金をエントリーした女性たちに配ってしまったらしい。
イザベルらしい。
女性たちにはとても感謝されたでしょうね。
帰りの馬車では腕相撲大会の話でもちきりになり、ヴィルはゼフがいないのをいい事に自身の活躍を嬉々として語っていたのだった。