【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
室内は狭いのか、私の「冗談でしょう?!!」という声の余韻が響き渡っている。
何、ここ…………さっきまで住宅街を歩いていたはずよ。もうすぐ自宅が見えてくるところまで歩いていたのに、一瞬で景色が変わるなんて事、ある?
それにこの周りにいる人達って、誰?変なフード被ってる人もいれば、頭のてっぺんがつるつるで……こういう頭ってトンスラって言うんだっけ。
皆ダルマティカを着ているのを見ると、聖職者なのかな……授業で習ったような事を頭で思い浮かべてみたけど、今はそれどころじゃない!
「あの…………ここってどこですか?」
どうしてこんな事を聞かなきゃいけないのか、訳が分からなかった。
でも相手の怒りを買いたくなかったので、努めて丁寧に聞いてみる。
私の質問に周りの人達はコソコソと話し合いを始める。
そういえば私の言葉ってここでは通じるの?
そんな私の心配は、人だかりの奥からやってきた一番偉い感じの美しい男性が解消してくれたのだった。
「ここは聖ジェノヴァ教会の地下室になります。ようこそこの世界においでくださいました、聖女様。あなた様をとても長い間お待ちしておりましたよ」
怖いくらい美しい男性…………こんなに綺麗な笑顔なのに目が全く笑っていないわ。
この人危ないって私の勘が言っている。
それに聖ジェノヴァ教会?
まったく聞いた事のない教会名に、物凄く嫌な予感が頭を過ぎっていく。
「あの…………日本って知ってます?」
「日本?ああ、あなた様が今までいらっしゃった国ですね。日本と言うのですか……残念ながらこの世界でそのような国はありません。我々は長い間、聖女様を召喚する術を研究してきました」
「はあ?!!!」