【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
あまりに綺麗で晴れやかな笑顔で私にそう告げてくるので、素っ頓狂な声が出てしまう。
その後からは衝撃過ぎて、何を言われたのかあまり覚えていない…………とりあえず、ここは日本という国のない世界で、私はこの人たちに召喚されたという事だけは理解出来た。
そして私がこの国では聖女と呼ばれる人間であり、唯一無二の存在であるという事も。
それを告げられた私が喜ぶと思ったのか、目の前の美しい男性はうっとりとしながら聖女について語っている。
は???この人ア〇じゃないの?????
家族から突然引き離されて見知らぬ世界に無理矢理強制瞬間移動させられたのに、唯一無二の存在になれたからヤッター!って喜ぶ人間がどこにいるのよ。
ダメだ、この人じゃ話にならない。そう思った私は、目の前の美人さん(もはや名前なんてどうでもいい)に一つ質問をしてみる。
「ねぇ、この国で一番偉い人のところへ連れて行ってくれない?」
私の言葉に周りの聖職者たちから不満の声が出始める。
目の前の男性がきっと教会で一番地位が高い人なのよね。
その人を差し置いて、国のトップを出せと言っているのだから反発されても仕方ないとは言え、こちらも必死なのよ。
私の言葉に美人さんはニッコリと笑い、「ではあなたを国王陛下のもとへお連れいたしましょう」とだけ告げる。
相変わらず目が笑っていないから、怖いったらないわ……でも国王陛下のところへ連れて行ってくれるというのだから、それに乗っからないとね!
教会から国王陛下に会う為の衣服をもらい、それに着替えて謁見しなくてはならなくなったのだけれど、謁見の許可が下りたのが翌朝でそれまで悶々とする羽目になったのだった。