【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
救出と手当て
ちょっと重いお話が続きます~~<(_ _)>
毎日17時更新にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします^^
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「ザンダ!!状況は?!」
ようやく爆発事故が起きた炭鉱に着いたと思ったら、レジェク殿下が駆け付けながら、意外な人物の名前を呼んだ。
ここはカンウェイ炭鉱ではないのにザンダがいる事に驚いてしまう。
「殿下!!!申し訳ございません!発破作業をしていた時にガスが出ていた事に気付かず……中で大きな爆発が……!!」
鉱夫長だから色々な炭鉱現場を取り仕切っているのかしら。
炭鉱から逃げのびた人々がそこかしこに座り込んでいて、中には怪我人もいる様子だった。
「見た感じではそれほど被害は大きくなさそうに見えるけれど……」
私が見たままの感想を口に出すと、ザンダが言いにくそうに状況を告げてくる。
「はい……それほど奥で爆発が起こったわけではないので、皆急いで避難出来たのですが、奥の方で作業していた者は…………」
言いながらザンダも殿下も俯いてしまう。
そうよね、あれほど大きな爆発が起こったのだもの……まだ中は鎮火していないでしょうし、厳しい状況よね。
「この現場はもう廃坑にするしかないだろう。近くの河から水を引けそうか?」
「はい。すぐ近くにアズーニ川がありますので、そこから引こうかと」
殿下とザンダが色々と話し合っているので怪我人の手当をしようと思った時、マリアが2人にストップをかけた。
「まだダメよ。中に……生命反応があるの。まだ生きてる人がいるわ!」
「本当なの?!」