【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
「ちょうどいい頃合いだったようですな。ようこそおいで下さいました……ヒヒッ」
中から扉を開いてくれたのはこの国の宰相であるムンターニャ宰相だった。
相変わらずねっとりとした喋り方と笑い方…………仲良くなれる気がしない。
「ムンターニャ殿、お気遣い感謝する。皆、入ろうか」
「ええ。さぁ、あなたたちも」
私に促されると子供たちはおずおずと室内へと入っていった。
そして中には国王夫妻、隣りにレジェク殿下、そのすぐそばにラスが立ち、彼らの後ろには貴族と思われる人物が数人立っていて、ムンターニャ宰相も合わせて国の要人がズラリと並んでいる。
でもヴィルはさすがに王族といった態度で、臆する事無くソファへと進んで行ったので、私もあとに続いていく。
子供たちは少し怯えている様子だわ……でもレイバンは何とか顔を上げ、瞳には強い意志を湛えているように見えた。
この子は芯の強い子ね。
私も怖気づいてしまうわけにはいかない、落ち着いてこの国と対峙しなくては。
私の隣りにはマリアが座ってくれて、イザベルは子供たちと一緒に後ろに並んでくれていた。
「さっそくだが、ヴィルヘルム。そなたの国が言いがかりを付けていた人身売買について、話があるとレジェクから聞いた」
「言いがかりではありません、事実です」
「たとえ我が国へ連れて来られていたとしても、我々が関わっていたわけではないのに、これが言いがかりではなく何だと言うのだ?のう、妃よ」
「ええ、本当に。全く身に覚えがない事をさも我々が指示していると言わんばかりの態度。ハミルトン王国とは単細胞の集まりなのかもしれませぬ。ほほっ」
あまりにも腹立たしくて何か言い返してやりたいけれど、ヴィルの方を見ると、あまり表情が動いていないので必死に怒りを堪えた。