【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
彼らの剣幕にも相変わらず殿下の表情は変わらず、飄々と答える。
「どちらの味方など考えて行動をしておりません。私は私のすべき事の為に動いているだけです、母上。我が国の事を考えるのならば、そなたのような行動も慎むべきですね。ムンターニャ宰相」
「聡明な王太子殿下がおられるようで、ドルレアン国の未来は明るいですな」
ヴィルが嫌味まじりに会話に入ると、王妃殿下と宰相は顔を赤くしながらこちらをジロリと睨んできたのだった。
怖い!!
我が国の国王陛下からも圧力を受けているにも関わらず、そこまで強気に出られるのってある意味凄いわ。
こんなやり取りをしていても時間の無駄なので、私は早々にこの話を切り上げた。
「ゴホンッ。とにかくその話は後々レジェク殿下に聞くとしましょう。よろしいですわよね、殿下」
「もちろんです」
「ではお話はまとまりましたし、我々はこの辺で」
子供たちを連れて帰る交渉も上手くいったし、ハミルトン王国の国王陛下が石炭の件も動いてくれたので、我々としてはこれ以上話す事もないし、話を切り上げた。
ヴィルも頷いてくれたので立ち上がり、去ろうとすると、王妃殿下が声を荒げたのだった。
「待て、あまりにも一方的ではないか!こんな事が許されるわけがない!!」
「…………一方的なのはどちらか、よくお考えください。人身売買を行っていたのも、他国と密かに取引を行っていたのもあなた方です。許す許さないはこちらが決める事……失礼」
ヴィルの言葉にドルレアン国側は何も言い返す事が出来ず、私やマリア、後ろに立っていたニコライ様やイザベル、子供たちも皆ぞろぞろとその場を後にしていく。
そして――
「では、私も失礼いたします」
「なっ、レジェク!待つのだ……っ!」
王妃殿下の言葉が後ろから聞こえていたけれど、レジェク殿下は振り返る事はせず、私たちと共に部屋を退出したのだった。
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ひとまず一件落着~~と思いきや……大きな波があと二波くらいありますので、最後までお付き合いいただければと思います!<(_ _)>
第三部、残り6話程度になります!^^