【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
真夜中の訪問者
「ソフィア、マリー!ゼフも、ただいま!」
「「おかえりなさい!」」
2人が笑顔で駆け寄ってくれて、ゼフは私たちの姿を確認して頷いている。
ゼフがいれば大丈夫と分かってはいるけれど、無事な姿を見るとホッとするわね。
ソフィアを抱き上げると、ぎゅうっと抱きついてくれるので、きっと不安にさせていたに違いないと背中をさすってあげたのだった。
「お話、終わり?」
「ええ、これで明日の建国祭の式典や祝宴に参加すれば帰る事が出来るわ」
私の言葉にソフィアが満面の笑みを見せた。
そしてどこからともなくニコライ様の不穏な言葉がヴィルに浴びせられる。
「もちろん殿下も建国祭が終わればすぐに帰ってきますよね?」
「あ、ああ。もちろん……」
「帰ってきたらたっぷりとお仕事溜めてありますので、すぐに取り掛かっていただけますよね?人使いの荒い上司のせいで仕事が溜まってるんですよねぇぇ」
だんだんとニコライ様の顔がヴィルに近付いていき、ヴィルがその圧に後ずさりしている。
「あ、ああ……大変だったようだな、ニコライ」
「おかげ様で!新婚旅行だと浮かれて何日も休みを取った人は誰だったでしょうか……!!」
ヴィルの余計なひと言で、ついにニコライ様が激高なさり、ヴィルがシュンとしてしまったのだった。
やっぱりこの中ではニコライ様が最強なのではないかしら。
「ドルレアン国に来たからには私も建国祭の式典に出席しますので、必ず一緒に連れて帰りますよ」
「そこまでしなくともちゃんと帰るぞ」
「まぁ殿下が心配なのもありますが、私のパートナーも心配なのでね」