【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】
マリアの聖力が効いているのか、喋りにくそうな国王だったけれど、なんとか言葉を発していった。
でも国王の言葉にもマリアは動じる事はなく、余裕の表情だ。
どういう事?
マリアは背筋をピンと伸ばし、毅然とした姿勢で私たちのもとへ近づいて来る。
神殿の者も衛兵も皆、彼女の雰囲気に恐れを抱いているのか、彼女が近づくと後退っていった。
そして私の隣に立ち、こっそり耳打ちしていく。
(今から力を使ってデカい事をするから。私を信じて)
マリアの言葉を聞き、彼女の顔を見つめた。
瞳には自信と覚悟、そして怒りがにじみ出ていたので、私も腹を決め、ヴィルと共に頷いた。
私たちの反応に満足したマリアは国王の方へ振り向き、大きな声を上げる。
『この国はフィラメル国王が王座に就いている限り、国は廃れていくばかりだと神がお怒りです!!!!』
彼女の声が神殿全体に響き渡り、辺りはシンと静まり返った。
少し間があった後、小さな微動がしてきたかと思うと、先ほどとは比べ物にならない衝撃が神殿に響き渡る。
「さぁ、ショーの始まりよ」