目と目を合わせてからはじめましょう
 「ええーーーっ」

 悲鳴を上げたのは私だけでない、雨宮もだ。

 どういう状況かと恐る恐る確認しようと視線をずらすと、雨宮の引き締まった裸体が目に飛び込んできた。

 「ぎゃあーー」
 「うげっーー」

 変な声を上げたのは、私だけでない、雨宮もだ。

 いくら私達が悲鳴を上げても、手をの動きを止めないエステティシャン達。

 ちょっと、ちょっと、私の乳首が見えそうなんですけど。もうちょっとタオル上げて!


 「も、もう結構ですので」

 雨宮が、起きあがろうとしたのだが……

 「申し訳ありません。緊急事態を除いては、途中で終了する事を禁じられてます」

 手を休める事なく、雨宮を担当しているエステティシャンが言った。

 「そんなバカな……」

 雨宮が言った。それに関しては、私も同感だ。


 「そういえば、湯之原様から警護のお礼との事で、心配せずにゆっくり堪能するようにと、承っております」

 「はあ?」

 ため息を漏らしながら、もそもそとタオルを上にあげた。

 「それでは、横向きになってください」

 優しい穏やかなエステティシャンの声に誘導されてしまい、横を向いた。

 どうして? 
 向き合うのよ、雨宮と。

 「カップルサービスでございます」

 そんなものいらんよ!
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