目と目を合わせてからはじめましょう
 「おお、雨宮君も終わったのかね」

 雨宮も着替えを済ませて出て来たようだが、私は振り向く事なんて出来ない。

 「えっ。まあ。はい……」

 「たまにはいいだろ?」

 「ありがたいことですが、こういう事は困ります」

 「そう、硬い事言うな」


 「あら、皆もマッサージ?」

 遊歩道を歩いて来たのは、パパとママだ。

 「おお、お前達もマッサージか?」

 「ええ。これからカップルプランなの。 楽しみにしていたのよね、あなた」

 「ああ。ママがどうしてもっていうから。咲夜は終わったのか?」

 パパは、ママと腕なんか組んで嬉しそうだ。

 「ええ。終わりました。パパとママにはピッタリのプランよ」

 嫌味たっぷりに言ってやった。

 「そうなの? ふふふっ。あなた早くいきましょ」

 ママは嬉しそうにパパを急かす。この二人は、歳を重ねる度に仲良くなっている気がする。

 「どうぞごゆっくり。私は先に行くわ」

 「あら咲夜、なんだか機嫌斜めね。何かあったの?」

 ママが、首を傾げた。

 言える訳ない。裸見られたなんて。

 私は、苛立ったまま部屋に戻った。
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