目と目を合わせてからはじめましょう
「何だよ急に! びっくりするだろ?」

「これは罠よ。見合いの罠」

「はあ? 映画のタイトルか?」

「違うわよ! 真面目に言ってるの。絶対に同じ部屋に入ったらダメだからね」

「入る分けないだろ?」

「ああ! 分かった!」

私はパチンッと手を叩いた。


「何でもかんでも一人で納得するな。分かるように話せ」

「法事の時よ。そもそも不審者なんていなかったのよ。ちょうどブランデーが効くころ、私の家に着くように仕向けたのよ」

「ちょっと、落ち着け! そんなうまい具合に行く訳ないだろ?」

「あの人達ならやりかねない。それに、じいちゃんにSPっておかしいでしょ?狙われてもないのに」

「まあ、確かに……」

「今日の、ボディマッサージだって、おかしいじゃない? 私達がカップルプランを受けるように、仕向けられたのよ」

裸を見られた事を思い出し、急に顔が熱くなった。


「よくわからないが、とにかくあんたの家族が、何かを企んでるってことは間違いないようだな」

「どうしよう。このままじゃ、無理矢理に裸にされて、ホテルの部屋に閉じ込められちゃうよ!」

「えっ?」

雨宮に、何とも言えない不審な目で見られた。
あっ。私、今凄い事、言っちゃったよね。


「とにかく、気をつけないと」

「なあ、よくわからんが、それなりに仲の良いフリしておけばいいんじゃやないか? そうすれば、無茶苦茶な事はして来ないだろ?」

「うーん。そうかな?」

 あの人達、そんなに簡単に諦めるのかな?


「そんなもんだろ。それより、一度、ちゃんと謝らなきゃならんと思ってた」

「えっ」

 思いがけない言葉に、雨宮の顔を見てしまった。
 
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