目と目を合わせてからはじめましょう
 「あの晩のことを謝らなきゃと思ってたのに、また、今日、謝る事が増えてしまったな」

 「確かに、あの晩は最悪だった。重いし痛いし。それに、恥ずかしいし…… でも、皆がわざとブランデー飲ませて眠るように仕組んだとしたら、あなたの責任だけじゃない。どちらかと言えば、私の家族のせいよ」

 「たとえ、そうだったとしても、俺の不注意だ。あんたの上に倒れ込むなんて、誰も予測してなかっただろうからな。それに、一歩間違えば、大怪我させていたかもしれない」

 雨宮は、両手を組んで下を向いた。その姿が。本当に申し訳なさそうだった、


 「あの晩の事も、今日のことも、どちらにせよ私達は被害者よ。これ以上、騙されないように気をつけましょう。あなたの言う通り、仲良さげにしていれば、これ以上は仕掛けてこないかもしれない……」

 「そんなもんじゃないか。プールに行くんだろ? 俺も海パン持ってくるから、待っていてくれ」

 「うん」

 小さく頷いた。


 一人になると、沸々と色々な事が蘇ってくる。だいたい、この沖縄旅行だってSP雨宮が同行する必要なんてなかった。この旅行自体が皆の策略なのじゃないだろうか? そう考えると、やっぱりあのへんてこなボディマッサージも罠だ。

 なんだか、イライラしてきた。


 プールに行こう!

 ラッシュガードを脱いで、ビーチチェアに置いた。


 青い光にライトアップされたプールに浮き輪を投げ入れた。


 カクテルを飲みながら、ライトアップされたプールに浮いてのんびりしようと思ったのだが、バーカウンターに居た男がプールに飛び込んだ。バジャンと、水から顔を出したのは、見たことある男だ。あー、ビーチハウスの人だ。

 こちらに、近づいてくるようだ。いやだなあー

「昼間はどうも。ジェットバイクどうだった?家族と旅行なんだね。今、一人?」

 私に話しかけているんだよね? 答えなきゃいけないよね……



 すると、ジャバーンと大きな水しぶきが上がった。思いっきりビーハウスの男の顔に水がかかった。


 ああ、この水しぶき……
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