婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
言い返せない翔くん。いいコンビネーションだと思うよ。
「ね、お姉さん、翔の小さい頃のあんなことやこんなこと、聞きたくないですか?」
「やめろ! 小春さんに絡むな」
不意に話が飛んできて驚く。翔くんは慌てふためいた顔でおろおろしている。はっきりとした物言い、このちょっと生意気な後輩を尽く言いくるめられる話術。それに美人ときた。この短時間でもって、私は彼女が結構好きだ。
「聞きたいです。 是非、聞かせてください!」
お酒のせいもあると思う。あと珍しい翔くんを見たせい。勢いで返事をしてしまった。葉山栞さんは勝ち誇ったような顔で翔くんを見やる。
「小春さん、無視してください! この女に着いていってはダメです!」
「翔は黙って。 とりあえず、連絡先を聞いてもいいですか? 後日ゆっくりお会いしたいです」
そうして私は、不服そうな翔くんの見守る下、彼の許嫁と連絡先を交換したのだった。
ツインタワーから翔くんの家までは徒歩だ。距離はそれなりだけど、私たちはお酒を飲んだらいつも歩いて帰るから苦ではない。のんびりゆったり、酔い覚ましにもちょうどいい夜風にあたりながら歩く。
でも今日は、翔くんはゆったりお散歩…な気分ではいられないらしい。
私が葉山栞さんと友達になろうとしているのが気に入らないようで、何度も確認してくる。栞の圧が強いから断れなかったんじゃないか、無理に合わせなくてもいい、って。
私はふふっと笑って言う。
「でも彼女、悪い人じゃないんでしょ? 翔くんも結構気を許しているみたいだし。 んー、まあでも、私が並んで歩くと従者みたいになるかもね」
「わるっ…いって…そりゃ犯罪はしてないですけど……気を許してるわけでは…ってか、小春さんが従者とか有り得ません!」
歯切れ悪いなぁ。でも面白いから、2人の絡みはもっと見たいかも。
「ね、お姉さん、翔の小さい頃のあんなことやこんなこと、聞きたくないですか?」
「やめろ! 小春さんに絡むな」
不意に話が飛んできて驚く。翔くんは慌てふためいた顔でおろおろしている。はっきりとした物言い、このちょっと生意気な後輩を尽く言いくるめられる話術。それに美人ときた。この短時間でもって、私は彼女が結構好きだ。
「聞きたいです。 是非、聞かせてください!」
お酒のせいもあると思う。あと珍しい翔くんを見たせい。勢いで返事をしてしまった。葉山栞さんは勝ち誇ったような顔で翔くんを見やる。
「小春さん、無視してください! この女に着いていってはダメです!」
「翔は黙って。 とりあえず、連絡先を聞いてもいいですか? 後日ゆっくりお会いしたいです」
そうして私は、不服そうな翔くんの見守る下、彼の許嫁と連絡先を交換したのだった。
ツインタワーから翔くんの家までは徒歩だ。距離はそれなりだけど、私たちはお酒を飲んだらいつも歩いて帰るから苦ではない。のんびりゆったり、酔い覚ましにもちょうどいい夜風にあたりながら歩く。
でも今日は、翔くんはゆったりお散歩…な気分ではいられないらしい。
私が葉山栞さんと友達になろうとしているのが気に入らないようで、何度も確認してくる。栞の圧が強いから断れなかったんじゃないか、無理に合わせなくてもいい、って。
私はふふっと笑って言う。
「でも彼女、悪い人じゃないんでしょ? 翔くんも結構気を許しているみたいだし。 んー、まあでも、私が並んで歩くと従者みたいになるかもね」
「わるっ…いって…そりゃ犯罪はしてないですけど……気を許してるわけでは…ってか、小春さんが従者とか有り得ません!」
歯切れ悪いなぁ。でも面白いから、2人の絡みはもっと見たいかも。