婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
さて、特に何もないこの部屋で、いったいどう暇を潰そうか。それなりの広さをいまいち活かしきれない物の少なさを感じていた時だ。
スマホが振動してメッセージを告げる。
アプリを開くと、葉山さんからだ。トーク画面には、思いがけない文字。

「明日の午後…よければお会いしませんか……葉山さん!」

急な連絡を詫びる文章と一緒に、ランチのお誘いが来ている。外出の予定ができれば、翔くんと顔を合わす機会が減るだろう。何かと心配性な翔くん相手に正直言って篭城作戦は上手くいくか不安だったこともあり、私は二つ返事でメッセージを打ち込んだ。

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