婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
「いつかは連れてきて、ちゃんと紹介しなさい」
ずっと黙っているから遥太派かと思いきや、意外と寛容な対応だ。私はほっと胸を撫で下ろす。翔くんを彼氏ってことにしちゃったけど、今すぐ連れてこいとか言われなくて良かった。しばらくはこのままで大丈夫そうだ。
「俺は納得いかない」
「遥太…」
うーん。納得いかないって言われても…。
「俺に会わせろよ、その男。 姉ちゃんに相応しいかどうか俺が確かめるから」
「何言ってるの、!? ていうかそんな言い方…」
「何? 会わせられない理由とかあんの?後ろめたいこと?」
「な、ないってば!」
ないわけない。後ろめたいことしかない!だから困るっていうのに、この頑固者!しかも鋭いところがあるから本当に侮れないのだ。翔くんのこと、最初は年が近いから遥太に似てるとか思ってたけど、全然似てない!翔くんはずっと素直で真っ直ぐだった。頭が切れるところは似ているのか…。