余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
「けれど、今直ぐのお話しではなくってよ」

「えっ!?」

「10年後、貴方が立派な騎士になっていたら、その時は貴方の妻となりましょう」

「はぁッ!? なっ、何だよそれ……。10年って言ったらオレは20歳で、エレノアは30のおば――」

「ユーリ?」

 エレノアは笑顔のまま圧をかけた。聖女らしからぬ禍々しいオーラにユーリも堪らずたじろぐ。だが、その丸目は変わらず反抗的だ。

「ンなもん10年もかからな……」

 言いかけてユーリは言葉を呑んだ。悟ったのだろう。20歳になること、それ自体もまた必要条件であるのだと。今の自分はあまりにも幼過ぎるから。

「だぁ~~!!! もう!! 分かったよ!! でも絶対、ぜ~ったい約束守れよ!!!」

「心得ました」

「こら! ユーリ!!」

「っ!?」

「もぉ~っ、アンタって子は!! また畑仕事サボって」

「やっ、やべ……っ」

 若い夫婦が走り寄ってくる。服装からして農夫。言動から察するにユーリの両親なのだろう。
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