余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
「ねえ、レイさん! レイさんから見てユーリはどうですか? 勇者かもって、ちょっとは思ったりしませんでしたか?」
レイは馬の手綱を握ったまま思案顔を浮かべた。彼は今黒い馬に乗り、馬車の右横についている。
「……少なくとも勇者ではないだろうな」
「どうして?」
「あれだけのことがあって光らなかったんだ。見込みはねえよ」
勇者は覚醒するとその全身が七色に輝くと言われている。この光の源は『勇者の光』、光の攻撃魔法に特化した特殊な魔力だ。
この『勇者の光』を持つ者=勇者。裏を返せば、持たざる者は決して勇者とは認められない。高尚な志、特権で以てしても歪めることは出来ないのだ。
「コーフンすると光るんでしたっけ?」
「ああ。喜怒哀楽のいずれかの感情が爆発すればな」
「ドラマチック♡」
「……そーかよ」
一目惚れ、模擬戦、エレノアへのプロポーズ等、機会が多々あったにもかかわらずユーリは光らなかった。故にレイは適性なしと見たのだろう。
「ああ、でも……確か聖女様が覚醒されたのって11歳の頃でしたよね?」
問いかけてきたのはビルだ。彼がいるのは馬車の左斜め前方。そのため顔は前を向いたまま。馬車の位置からでは彼の感情を窺い知ることは出来ない。
「ええ、仰る通りよ。わたくしはかなり遅い方だったわね」
エレノアもまた光魔法の使い手。癒しと浄化に特化した『聖光』と呼ばれる特殊な魔力を有している。
この『聖光』の保持者でなければ『聖者/聖女』になることは出来ないのだ。
現状、国から正式に認定を受けているのはエレノアを含めた6人だけ。勇者ほどではないにしても大変希少な存在だ。
「エレノア様が覚醒したきっかけは何だったんですか?」
ミラが嬉々として訊ねてきた。瞬間、エレノアとレイに緊張が走る。
レイは馬の手綱を握ったまま思案顔を浮かべた。彼は今黒い馬に乗り、馬車の右横についている。
「……少なくとも勇者ではないだろうな」
「どうして?」
「あれだけのことがあって光らなかったんだ。見込みはねえよ」
勇者は覚醒するとその全身が七色に輝くと言われている。この光の源は『勇者の光』、光の攻撃魔法に特化した特殊な魔力だ。
この『勇者の光』を持つ者=勇者。裏を返せば、持たざる者は決して勇者とは認められない。高尚な志、特権で以てしても歪めることは出来ないのだ。
「コーフンすると光るんでしたっけ?」
「ああ。喜怒哀楽のいずれかの感情が爆発すればな」
「ドラマチック♡」
「……そーかよ」
一目惚れ、模擬戦、エレノアへのプロポーズ等、機会が多々あったにもかかわらずユーリは光らなかった。故にレイは適性なしと見たのだろう。
「ああ、でも……確か聖女様が覚醒されたのって11歳の頃でしたよね?」
問いかけてきたのはビルだ。彼がいるのは馬車の左斜め前方。そのため顔は前を向いたまま。馬車の位置からでは彼の感情を窺い知ることは出来ない。
「ええ、仰る通りよ。わたくしはかなり遅い方だったわね」
エレノアもまた光魔法の使い手。癒しと浄化に特化した『聖光』と呼ばれる特殊な魔力を有している。
この『聖光』の保持者でなければ『聖者/聖女』になることは出来ないのだ。
現状、国から正式に認定を受けているのはエレノアを含めた6人だけ。勇者ほどではないにしても大変希少な存在だ。
「エレノア様が覚醒したきっかけは何だったんですか?」
ミラが嬉々として訊ねてきた。瞬間、エレノアとレイに緊張が走る。