余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
彼女もまた緑色の魔法陣を展開させていた。そう。彼女は剣士でありながら『治癒術師』の才も秘めていたのだ。
仲間から見捨てられ、深手を負いながらも生き延びることが出来たのはこのため。拙いながらも懸命に魔法をかけ続けたことでその命を繋いだのだ。
「落ち着いて。慌てず、慎重に処置をして差し上げて」
「はっ、はい!」
ミラの指導はゼフがメインに、一部エレノアも担っていた。
――聖女であるエレノアが治癒魔法の指導を行う。
これは実のところ異例中の異例のことだった。
聖者/聖女
治癒術師
両者は同じ癒し手でありながらまったくの別物。その手法から扱う魔力の種類に至るまで、類似点はほぼ皆無に等しい。
一般的に聖者/聖女が扱う回復魔法は『祈り』、治癒術師が扱うものは『治癒魔法』と呼ばれる。
不思議なことに聖者/聖女には『治癒魔法』の適正がある。同じく光魔法の使い手である勇者には、攻撃魔法に大別される魔術・剣術の適性があるのだ。
このことから治癒魔法は『聖光』の、攻撃魔法は『勇者の光』の派生なのではないかと言われている。
その関係で、聖者/聖女・勇者の選民意識は非常に高い。特に前者は合法的に安地にいられるためか、向上心が非常に低く『治癒魔法』を率先して学ぼうとする者はほぼいない。
つまりは、聖者/聖女は『治癒魔法』を扱わないというのが常識であり、二種の回復魔法を扱えるエレノアはまさに異色の存在と言えた。
無論、同じ立場にある者達からは煙たがられている。彼らの選民意識や怠惰を浮き彫りにするからだ。
そのため、習学段階から何度となく妨害を受けてきた。けれど、彼女はめげることなく励み続けた。『治癒魔法』を修得することで『祈り』の課題を克服、一人でも多くの人を救えると信じていたからだ。
『祈り』の課題、それはずばり持久力だ。『祈り』は魔力を生命力に変換⇒対象に与えることで治癒力を向上⇒傷や病を治していく。
そんな大層なことをしているせいか、どうにも燃費が悪いのだ。それこそ重症者が次から次へと運ばれてくるような戦場においては不向きと言わざるを得ない。
対する『治癒魔法』は、対象の生命力を活性化させることで治癒力を向上⇒傷や病を治していく。言い方は悪いが、対象の力頼みであるため『祈り』に比べれば消費する魔力量は圧倒的に少なくて済むのだ。
そういった考えから、エレノアは『治癒魔法』を修得。大病や大怪我は『祈り』、その他は治癒魔法といった具合に使い分けることで課題克服に至ったというわけだ。
仲間から見捨てられ、深手を負いながらも生き延びることが出来たのはこのため。拙いながらも懸命に魔法をかけ続けたことでその命を繋いだのだ。
「落ち着いて。慌てず、慎重に処置をして差し上げて」
「はっ、はい!」
ミラの指導はゼフがメインに、一部エレノアも担っていた。
――聖女であるエレノアが治癒魔法の指導を行う。
これは実のところ異例中の異例のことだった。
聖者/聖女
治癒術師
両者は同じ癒し手でありながらまったくの別物。その手法から扱う魔力の種類に至るまで、類似点はほぼ皆無に等しい。
一般的に聖者/聖女が扱う回復魔法は『祈り』、治癒術師が扱うものは『治癒魔法』と呼ばれる。
不思議なことに聖者/聖女には『治癒魔法』の適正がある。同じく光魔法の使い手である勇者には、攻撃魔法に大別される魔術・剣術の適性があるのだ。
このことから治癒魔法は『聖光』の、攻撃魔法は『勇者の光』の派生なのではないかと言われている。
その関係で、聖者/聖女・勇者の選民意識は非常に高い。特に前者は合法的に安地にいられるためか、向上心が非常に低く『治癒魔法』を率先して学ぼうとする者はほぼいない。
つまりは、聖者/聖女は『治癒魔法』を扱わないというのが常識であり、二種の回復魔法を扱えるエレノアはまさに異色の存在と言えた。
無論、同じ立場にある者達からは煙たがられている。彼らの選民意識や怠惰を浮き彫りにするからだ。
そのため、習学段階から何度となく妨害を受けてきた。けれど、彼女はめげることなく励み続けた。『治癒魔法』を修得することで『祈り』の課題を克服、一人でも多くの人を救えると信じていたからだ。
『祈り』の課題、それはずばり持久力だ。『祈り』は魔力を生命力に変換⇒対象に与えることで治癒力を向上⇒傷や病を治していく。
そんな大層なことをしているせいか、どうにも燃費が悪いのだ。それこそ重症者が次から次へと運ばれてくるような戦場においては不向きと言わざるを得ない。
対する『治癒魔法』は、対象の生命力を活性化させることで治癒力を向上⇒傷や病を治していく。言い方は悪いが、対象の力頼みであるため『祈り』に比べれば消費する魔力量は圧倒的に少なくて済むのだ。
そういった考えから、エレノアは『治癒魔法』を修得。大病や大怪我は『祈り』、その他は治癒魔法といった具合に使い分けることで課題克服に至ったというわけだ。