余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
「ぐっ……うっ……! この……っ!」
「いいわ。その調子よ」
緑色の淡い光がミラの顔を照らしている。彼女は額に汗を滲ませ、もどかし気に顎を震わせていた。けれど、その濃緑の瞳は熱く燃えている。使命感に溢れていると言ってもいい。ようは負けていない。困難に打ち勝とうと必死に足掻いているのが見て取れる。
(ミラ、貴方は本当に立派よ)
実のところ彼女は一度挫折しているのだ。『選定の儀』と呼ばれる適性検査の場で治癒術師の素質ありとの判定を受けるも、勉強嫌いが災いしてか知識を上手く取り入れることが出来なかった。結果、すっぱりと諦めて剣の道へ。
充実感を抱きながらも、仲間が傷付く度に『あの時ちゃんと勉強していたら』と後悔の念を募らせていたのだと言う。
『今度はもう逃げません! だから、……っ、だから、アタシに治癒魔法を教えてください!』
エレノア達との出会いを運命と、最後のチャンスと捉えたのだろう。彼女は必死に頭を下げて指導を求めた。
『ふふっ、それではわたくしとゼフとで指導を行うこととしましょうか』
『かぁ~~! ったく、やるからには徹底的にやるからな?』
『~~っ、はい! ありがとうございます!!』
ミラはそう言って破顔した。濃緑の瞳に溢れんばかりの涙を溜めて。
「ぐぅ~~!! ぬぅ~~~~!!!!」
「ふふふっ」
エレノアはハンカチを手にミラの額の汗を拭った。そのハンカチの右端にはEのアルファベット、柊の刺繍が施されている。
「あっ、すみません。後で洗って返しますね」
「ふふっ、いいのよ。気にしないで――」
「聖女様!!」
荒々しく切迫した声が広場中に響き渡る。その声の主は意外な人物だった。
「いいわ。その調子よ」
緑色の淡い光がミラの顔を照らしている。彼女は額に汗を滲ませ、もどかし気に顎を震わせていた。けれど、その濃緑の瞳は熱く燃えている。使命感に溢れていると言ってもいい。ようは負けていない。困難に打ち勝とうと必死に足掻いているのが見て取れる。
(ミラ、貴方は本当に立派よ)
実のところ彼女は一度挫折しているのだ。『選定の儀』と呼ばれる適性検査の場で治癒術師の素質ありとの判定を受けるも、勉強嫌いが災いしてか知識を上手く取り入れることが出来なかった。結果、すっぱりと諦めて剣の道へ。
充実感を抱きながらも、仲間が傷付く度に『あの時ちゃんと勉強していたら』と後悔の念を募らせていたのだと言う。
『今度はもう逃げません! だから、……っ、だから、アタシに治癒魔法を教えてください!』
エレノア達との出会いを運命と、最後のチャンスと捉えたのだろう。彼女は必死に頭を下げて指導を求めた。
『ふふっ、それではわたくしとゼフとで指導を行うこととしましょうか』
『かぁ~~! ったく、やるからには徹底的にやるからな?』
『~~っ、はい! ありがとうございます!!』
ミラはそう言って破顔した。濃緑の瞳に溢れんばかりの涙を溜めて。
「ぐぅ~~!! ぬぅ~~~~!!!!」
「ふふふっ」
エレノアはハンカチを手にミラの額の汗を拭った。そのハンカチの右端にはEのアルファベット、柊の刺繍が施されている。
「あっ、すみません。後で洗って返しますね」
「ふふっ、いいのよ。気にしないで――」
「聖女様!!」
荒々しく切迫した声が広場中に響き渡る。その声の主は意外な人物だった。