余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
エレノアはユーリに継げた。勇者に覚醒した――その事実を。
「ゆっ、勇者? おっ、オレが……?」
「ええ。貴方は紛うことなき勇者です。この虹色の輝きがその証明で――」
「よっしゃー!!!!」
ユーリは余程嬉しかったのか目をキラキラと輝かせた。その輝きはユーリを包む『勇者の光』以上に眩しくて。
「ちょっ、ちょっと待ってください! この子は間違いなくアタシとバリーの子です!!」
『不義理の子なのではないか?』そんな疑念を向けられていると捉えたのだろう。ユーリの母は涙ながらに訴える。
(それだけ受け入れ難いことなのでしょうね。ユーリの母であることに強い責任と愛着を抱いていらっしゃるから……)
エレノアの心が重く沈む。彼女は告げなければならないから。この親子を引き裂く言葉を。国は、世界は救世主を渇望している。そんな大義名分を笠に着て。
「血筋は関係ありませんよ」
見兼ねた様子のレイが代わって答える。
「勇者、聖者/聖女、各ジョブの最高位のライセンスを預かるような『逸材』を輩出出来るのは王族や、王族に由来する高位貴族に限られる……といった定説は既に過去のもの。約40年ほど前から血筋を問わず確認されるようになったのです」
「いっ、一体どうして?」
「生存本能に由来した進化、との見方が有力です。かく言う私も、こちらのウィリアム殿もその類の人間です」
「えっ!? アンタらも勇者なのか!?」
「いいえ。こちらのレイモンドが『賢者』、ウィリアムが『剣聖』です」
エレノアが代わって答えた。レイが繋いでくれたお陰で気持ちが整ったと、アイコンタクトで感謝の意を伝える。
対するレイは片側の口角だけ上げて目を逸らした。チャックで無理矢理に口を閉じたようなそんな表情だ。あのまま汚れ役を肩代わりするつもりだったのだろう。『慣れてますから』とそんな一言を添えて。
「ゆっ、勇者? おっ、オレが……?」
「ええ。貴方は紛うことなき勇者です。この虹色の輝きがその証明で――」
「よっしゃー!!!!」
ユーリは余程嬉しかったのか目をキラキラと輝かせた。その輝きはユーリを包む『勇者の光』以上に眩しくて。
「ちょっ、ちょっと待ってください! この子は間違いなくアタシとバリーの子です!!」
『不義理の子なのではないか?』そんな疑念を向けられていると捉えたのだろう。ユーリの母は涙ながらに訴える。
(それだけ受け入れ難いことなのでしょうね。ユーリの母であることに強い責任と愛着を抱いていらっしゃるから……)
エレノアの心が重く沈む。彼女は告げなければならないから。この親子を引き裂く言葉を。国は、世界は救世主を渇望している。そんな大義名分を笠に着て。
「血筋は関係ありませんよ」
見兼ねた様子のレイが代わって答える。
「勇者、聖者/聖女、各ジョブの最高位のライセンスを預かるような『逸材』を輩出出来るのは王族や、王族に由来する高位貴族に限られる……といった定説は既に過去のもの。約40年ほど前から血筋を問わず確認されるようになったのです」
「いっ、一体どうして?」
「生存本能に由来した進化、との見方が有力です。かく言う私も、こちらのウィリアム殿もその類の人間です」
「えっ!? アンタらも勇者なのか!?」
「いいえ。こちらのレイモンドが『賢者』、ウィリアムが『剣聖』です」
エレノアが代わって答えた。レイが繋いでくれたお陰で気持ちが整ったと、アイコンタクトで感謝の意を伝える。
対するレイは片側の口角だけ上げて目を逸らした。チャックで無理矢理に口を閉じたようなそんな表情だ。あのまま汚れ役を肩代わりするつもりだったのだろう。『慣れてますから』とそんな一言を添えて。