余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
「すっげぇー!!!」
エレノアが口を閉ざしている間に、ユーリが勢いよく駆け出した。向かう先にはビルがいる。ビルや他の大人達が戸惑うのを他所に、ユーリはビルの周囲をくるくると回り出した。
興奮が冷めやらないのか、サーベルを見せてほしいなどとお強請りをし始める。ビルもこれには笑顔だ。堪らずといった具合にユーリの頭を撫でる。
一方で賢者であるレイは完全無視だ。「クソガキが……」とレイが低く唸ったのをエレノアは聞き逃さなかった。
内心で苦笑しつつユーリの母に目を向ける。彼女はまだ事態を呑み込めていないようだ。無表情に近い表情で顔を俯かせている。酷なことをしている。その事実を胸に話しを続ける。
「……しかしながら、今の二人は無免許の状態。ライセンスを剥奪された状態にあるのです」
「えっ!? どうして???」
「血筋由来の逸材とそれに関連した人々……所謂『国の権力者』達が、そうでない方々が台頭することを快く思っていない。もっと言うと自身の立場が揺らぐことを、何よりも恐れているからです」
そういった保守派の人々は自身らとその他をこう区別した。
血筋由来の逸材を『λ』
突然変異によって誕生した逸材を『μ』と。
「レイ、ビル。お話してもよろしいかしら?」
レイは煩わし気に、ビルは気まずそうに頷いて応えた。了承を得たエレノアは徐に語り出す。
エレノアが口を閉ざしている間に、ユーリが勢いよく駆け出した。向かう先にはビルがいる。ビルや他の大人達が戸惑うのを他所に、ユーリはビルの周囲をくるくると回り出した。
興奮が冷めやらないのか、サーベルを見せてほしいなどとお強請りをし始める。ビルもこれには笑顔だ。堪らずといった具合にユーリの頭を撫でる。
一方で賢者であるレイは完全無視だ。「クソガキが……」とレイが低く唸ったのをエレノアは聞き逃さなかった。
内心で苦笑しつつユーリの母に目を向ける。彼女はまだ事態を呑み込めていないようだ。無表情に近い表情で顔を俯かせている。酷なことをしている。その事実を胸に話しを続ける。
「……しかしながら、今の二人は無免許の状態。ライセンスを剥奪された状態にあるのです」
「えっ!? どうして???」
「血筋由来の逸材とそれに関連した人々……所謂『国の権力者』達が、そうでない方々が台頭することを快く思っていない。もっと言うと自身の立場が揺らぐことを、何よりも恐れているからです」
そういった保守派の人々は自身らとその他をこう区別した。
血筋由来の逸材を『λ』
突然変異によって誕生した逸材を『μ』と。
「レイ、ビル。お話してもよろしいかしら?」
レイは煩わし気に、ビルは気まずそうに頷いて応えた。了承を得たエレノアは徐に語り出す。