余命2年の初恋泥棒聖女は、同い年になった年下勇者に溺愛される。
「患者様は?」
「治しました! もうすっかり元気です」
「そう! 素晴らしいわ。よく頑張りましたね、ミラ」
「えへへ~っ♪」
ミラは擽ったそうに笑った。その直後に顔を勢いよく上げる。
「お借りしたハンカチは、きちんと洗って返すので!」
「気にしなくていいのよ」
「めっちゃ励まされたんで、ちゃんと返したいんです!」
両手に小さな握り拳を作って見上げてくる。いじらしい。エレノアは頬を綻ばせて何度となく頷く。
「ありがとう。じゃあ、お願いするわね」
「はいっ! お任せください!」
「聖女様、よろしいでしょうか?」
隊長のロナルドが遠慮がちに声をかけてきた。エレノアは笑顔で先を促す。
「伯爵にご相談をしたところ、もう一泊させていただけることになりまして」
「まぁ! 良かったわ。ご無事だったのね」
「と、おっしゃいますと?」
「家令が探していたのです。伯爵のお姿が見えないと」
「なるほど。私が見る限りお変わりなかったように思います。大方、皆のために人知れず汗を流していらっしゃったのでしょう」
「ふふっ、そうね。ご立派だけれど、何ともまあ家令泣かせなことね」
「ははっ、まったくです」
「では、ご厚意に甘えてお屋敷に向かうとしましょうか」
エレノアの呼びかけを受けて皆が歩き出す。
空も、地面も、木々も赤く染まる夕暮れ時。甲冑が奏でる控えめな金属音、地を踏む足音が何とも心地いい。
エレノアの隣にはミラ。前方には隊長の他5名の騎士。背後にはレイとビル、ゼフの他3名の騎士が並んでいた。
「っ!」
不意に緑色のオーラがエレノア、レイ、ビルを包み込んだ。ゼフだ。魔法を展開させて3人の体力、魔力の回復作業に取りかかっていく。
「治しました! もうすっかり元気です」
「そう! 素晴らしいわ。よく頑張りましたね、ミラ」
「えへへ~っ♪」
ミラは擽ったそうに笑った。その直後に顔を勢いよく上げる。
「お借りしたハンカチは、きちんと洗って返すので!」
「気にしなくていいのよ」
「めっちゃ励まされたんで、ちゃんと返したいんです!」
両手に小さな握り拳を作って見上げてくる。いじらしい。エレノアは頬を綻ばせて何度となく頷く。
「ありがとう。じゃあ、お願いするわね」
「はいっ! お任せください!」
「聖女様、よろしいでしょうか?」
隊長のロナルドが遠慮がちに声をかけてきた。エレノアは笑顔で先を促す。
「伯爵にご相談をしたところ、もう一泊させていただけることになりまして」
「まぁ! 良かったわ。ご無事だったのね」
「と、おっしゃいますと?」
「家令が探していたのです。伯爵のお姿が見えないと」
「なるほど。私が見る限りお変わりなかったように思います。大方、皆のために人知れず汗を流していらっしゃったのでしょう」
「ふふっ、そうね。ご立派だけれど、何ともまあ家令泣かせなことね」
「ははっ、まったくです」
「では、ご厚意に甘えてお屋敷に向かうとしましょうか」
エレノアの呼びかけを受けて皆が歩き出す。
空も、地面も、木々も赤く染まる夕暮れ時。甲冑が奏でる控えめな金属音、地を踏む足音が何とも心地いい。
エレノアの隣にはミラ。前方には隊長の他5名の騎士。背後にはレイとビル、ゼフの他3名の騎士が並んでいた。
「っ!」
不意に緑色のオーラがエレノア、レイ、ビルを包み込んだ。ゼフだ。魔法を展開させて3人の体力、魔力の回復作業に取りかかっていく。