キミに「好き」だと伝えたい


10分ほど歩き、お祭り会場である神社が見えてきた。


提灯が通りを照らし、様々な人のにぎやかな声が辺りに響く。


ああ、今年もお祭りに来たんだなとワクワクする。


神社の鳥居をくぐると、参道には色とりどりの屋台が並ぶ。


あちこちの屋台からは、色々な食べ物の匂いが漂う。


ああ、どれも美味しそう。


こんなにも沢山屋台があると、何を買おうか迷うなぁ。


たこ焼きにチョコバナナ、りんご飴。


「……あ」


人の流れに続いて歩いていると、私はある屋台が目についた。


それは射的の屋台で、景品として私が好きな白いクマのキャラクターのぬいぐるみが棚に並んでいる。


わ、あの子めっちゃ可愛い。欲しいな。


私は立ち止まり、じっと白のクマを見つめる。


「……純夏? もしかしてお前、あの白クマが欲しいのか?」

「えっ!」


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