愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「花琳。
姉さんの嫁教育、お疲れ様」

「ありがとうございます」

ノンアルコールのカクテルで乾杯。
泊まりなんだから宣利さんは飲めばいいのに、ひとりだけ飲んでもつまらないと私に付き合ってくれた。

「ほんとにごめんね、花琳をあんな目に遭わせて」

本当に嫌そうに、彼の眉間に深い皺が刻まれる。

「もし、流産していたらどうするつもりだったんだろうね」

「そう……ですね」

つい、ナイフとフォークを置いて自分のお腹を見ていた。
そうなっていたらと考えると、怖い。
子供の命を失うのはもちろん、……この子がいなくなったら?
そのときはこの婚姻関係も終わるんだろうか。
そう考えると怖くて怖くて堪らない。

「宣利さんは……」

そこまで言って、止まる。
子供ができなかったら復縁しなかったのかなんて、聞けない。
そんなの、当たり前じゃないか。

「花琳?」

私が言い淀み、彼は怪訝そうだ。

「宣利さんは子供、好きですか?」

笑って、話題を変える。

「んー、正直言って苦手なんだが……」

それは以前の彼ならば意外でもなんでもない答えだった。

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