愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「子供が生まれると思ったら、急に可愛く見えてきたんだよな。
他人の子でもそうなんだから、不思議だよ」

盛んに彼は首を捻っているが、それって父性が芽生えてきたってことじゃないのかな。

「だから、目一杯可愛がると思う。
少なくとも僕みたいには育てたくない、かな」

笑う宣利さんは少し淋しそうだった。
その顔を見て、胸がつきんと痛む。
前も言っていたがこの人はきっと、淋しい子供時代を送ってきたんだろうな。
それを、私が少しでも癒やしてあげられたらいいのに。

「いっぱい甘やかせて可愛がりましょう!
淋しい思いなんて私が絶対、させません!」

「そうだな」

泣き出しそうに彼が笑う。
こんな顔、もうさせたくない。
私が絶対に宣利さんを幸せにするんだ。
彼からしたら迷惑かもしれないけれど。

「あ、でも、ただ甘やかせるのはダメですよ。
いけないことはちゃんと叱らないと」

「そうだな、いい反面教師がいるしな」

同じ人を思い浮かべているのか、宣利さんはおかしそうだ。
うん、典子さんのようにだけは絶対にしてはいけない。
極端なんだよね、ここの姉弟。
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