愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
宣利さんから彼の見た目に似合わない、ドスの利いた声が出る。
眼鏡の奥ですーっと細くなった目は、触れるだけで切れそうな日本刀を思わせた。
「愛する妻を甘やかせてどこが悪いんです?
それに花琳は誰かと違って、きちんと常識を身に着けていますからね」
宣利さんの発する声は冷気となり、その場の空気がビキビキと凍りついていく。
私はもちろん、典子さんも動けなくなっていた。
硬直した時間が続く。
それを壊したのは、チャイムだった。
「ああ。
姉さんが頼んだアフタヌーンティが来たようですね」
何事もなかったかのように宣利さんが立ち上がり、ようやく緊張が緩む。
「おいで、花琳」
「あっ」
私の手を引き、彼が強引に立たせる。
そのままなにか言いたげな典子さんを残して玄関へと向かった。
彼女とふたりきりにしない気遣いは大変助かる。
「ご無理を言って大変申し訳ありません」
宣利さんは丁寧に謝罪し、配達されてきたものを受け取った。
「近いうちにお礼にお伺いするとお伝えください」
彼に頭を下げられ、配達に来た男性スタッフは恐縮しきったまま帰っていった。
眼鏡の奥ですーっと細くなった目は、触れるだけで切れそうな日本刀を思わせた。
「愛する妻を甘やかせてどこが悪いんです?
それに花琳は誰かと違って、きちんと常識を身に着けていますからね」
宣利さんの発する声は冷気となり、その場の空気がビキビキと凍りついていく。
私はもちろん、典子さんも動けなくなっていた。
硬直した時間が続く。
それを壊したのは、チャイムだった。
「ああ。
姉さんが頼んだアフタヌーンティが来たようですね」
何事もなかったかのように宣利さんが立ち上がり、ようやく緊張が緩む。
「おいで、花琳」
「あっ」
私の手を引き、彼が強引に立たせる。
そのままなにか言いたげな典子さんを残して玄関へと向かった。
彼女とふたりきりにしない気遣いは大変助かる。
「ご無理を言って大変申し訳ありません」
宣利さんは丁寧に謝罪し、配達されてきたものを受け取った。
「近いうちにお礼にお伺いするとお伝えください」
彼に頭を下げられ、配達に来た男性スタッフは恐縮しきったまま帰っていった。