愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
明日は雨なんだろうか。

「これは僕の分?」

「はい……」

彼がテーブルの上に並ぶ食事を見下ろす。
しかしレンズの奥の目からはなにを考えているのか読み取れない。

「……はぁーっ」

大きなため息をついたかと思ったら、ノットを何度か揺らしてネクタイを緩め、彼は椅子に座った。
そのまま、箸を取って食べ始める。

「えっと……」

「作ったのなら食べないともったいないだろ」

それはそうだけれど、食べて帰ったのなら無理して食べる必要はない。
それに作ったのは私の勝手だ。

「もしかして今までも、僕の帰りが遅い日も作ってたのか」

「……はい」

「うん、わかった」

それっきり彼は黙って料理を食べている。
てっきり、怒られるのだとばかり思っていた。
それとも呆れ果ててなにも言えない?
いや、もしかしたらただの事実確認という可能性も捨てきれない。
なにしろ宣利さんはいつも真顔だから、なにを考えているのかわからないのだ。

「ごちそうさま」

今日も食べ終わり、丁寧に彼が手をあわせる。
しかしいつもと違ったのは、食器を避けて携帯を手にした点だ。

「君の携帯、貸して」

「はぁ……?」

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