もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜


「おい、大丈夫か?」

 そのとき、背後から男の声が聞こえた。
 彼女はビクリと肩を揺らす。声の主が分からないので振り向いて顔を確認したかったが、とてもできるような状態ではなかった。

「っ……」

 キアラはその場でうずくまる。頭が割れるように痛くて、ダミアーノのことを愛していて憎んでいて、気がどうにかなりそうだった。

「おい!」

 背後の男がこちらに向かって駆け寄るのを背中で感じる。

(いや……。来ないで……)

 もし、ダミアーノだったら。

 ――私はまた彼を愛してしまう。

 いえ、私は今でも彼を愛しているの…………?
 

「リグリーア伯爵令嬢!」

 刹那、男の両手がキアラ背中に触れた。

 その瞬間、大地が揺れるくらいのドンと大きな衝撃。
 バチリと何かが弾ける。閃光。闇の奥底から光り輝く地上へ、ぐいと勢いよく引き上げられるような。

 ビリビリと電撃のような感覚が、キアラと、背後の男――レオナルド・ジノーヴァーに襲いかかった。


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