助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
「すまんが……水の出し方を教えてくれ」
「……井戸の使い方、知らなかったんですね」

 メルはがくっと肩を落とすと、やれやれと重しの付いた手桶を沈め、滑車で引き上げて水を汲むやり方を説明してやった。この調子だと、まだまだ彼が民から教わらなければならないことは多いようである。
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