悪魔なあなたと結婚させてください!
と、注意してもアレクは離れてくれなかった。
お玉で鍋をかき回しながら幸の頬は赤くそまる。

どれだけアレクに抱きしめられてもそれは慣れることがなかった。
「できた」

野菜がほどよい柔らかさになったのを確認して火を止める。
これでいつでも夕飯を食べることができる。

そう思って振り向いたとき、アレクが手になにかを持っているのが見えた。
「それって……」

「直したんだ」
アレクが持っていたのは粉々に砕けたはずのバレッタだった。

金具だって曲がってしまっていたはずなのに、今アレクの手の中にあるバレッタは元通りになっている。

「うそ、直してくれたの!?」
「時間がかかったけどな」
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