腹黒王子とめぐるの耽溺日誌

それは早朝の出来事だった。

HRが始まる20分前ぐらいに自分のクラス着くと、なにやらクラスの中が騒然としている。



「おはよう、雪平。なんか教室の中うるさくないか？」


「あ、おはよう、慎君。私も今来たばっかだからなんとも……」




丁度同じぐらいのタイミングで教室に来た慎君が私の話を聞き、訝しげにドアを開けた。



「この尻軽女！！早くこの教室から出て行きなさい！！」


「はぁ！？なにこの芋女！！私は佳都に用があって来たんだけど！？」


「向坂君は貴女になんか用はないから！！早く消えてよ！！」


「アンタが佳都のなにを分かるって言うの！？知ったような口聞かないでよ！！」



教室の中に入った途端、凄まじい情報量で私と慎君は二人で口をあんぐり開けてただ呆然と眺める事しか出来なかった。

倉木さんが怒りの表情で黒髪ロングの女の子と取っ組み合いの喧嘩をしている。
黒髪の子は多分元々は凄い美少女なんだろうけど、今は凄まじい形相で倉木さんの髪を引っ張ってるからなんとも残念な顔になっている。