お嬢様は今日も美しい
第一王子と第二王子。
滅多にお目にかかれないお二人の対決を生徒たちは見逃してなるものかと固唾をのんで注目している。
政局的には第二王子である王太子のほうが上だったはずなのですが、それも今後どうなるのかといったものを含めても目を離せない出来事になるかもしれません。
「このままでは埒が明かないな。せっかくのダンスパーティーも台無しになってしまう。王太子であるベルナルド第二王子に再度聞く。ローシャス公爵令嬢との婚約を破棄する。その意志に変わりはないんだな?」
「……」
「どうしたんだ? 違うのか? もしや、その件は撤回したいと思っているのか?」
「……い、いや。こ、こ、婚約は破棄する。そう、言っただろう。何度も言わせるな」
やや、間があっての、どもり気味な返事の上に逆ギレ……とか。
なぜ、即答ではなかったんですかね。さっきまでの勢いはどこに行ってしまったのでしょう。お嬢様のことを嫌悪していましたよね。
「王太子はこう言っているが、ローシャス公爵令嬢はどのように思っているのか聞きたい。俺はあなたの意見を尊重する」
「お心遣いに感謝いたします。恐れながらわたくしは王太子殿下のお心に沿いたく存じます。よって、婚約破棄を謹んでお受けいたします」
王太子に礼を取り殿下に向き直ったお嬢様の顔は、ここ数年の憂いが消えたように、晴れ晴れとして清々しく見えました。