お嬢様は今日も美しい

「そうか。ローシャス公爵令嬢、もう一度聞く。その言葉に偽りはないのだな? 今ならやり直しもきくし、心が定まるまで、猶予も与えることも可能だと思うのだが、どうだろうか?」

「はい。過分なご配慮痛み入ります。先ほど申しましたように、わたくしの言葉に嘘偽りはございません。迷いもございません。わたくしの本心にございます」

「わかった。俺に今回の件での裁量権はないが、事の次第を陛下には伝えることとする。それとダウザード男爵令嬢の件は俺が預かろう。よって、ダウザード男爵令嬢の被害届の提出後、直ちに生徒会と学園とできちんと調査をし結果を踏まえ適切な処分を行う。ダウザード男爵令嬢、それでよいか?」

 王太子の背中に隠れていた男爵令嬢は顔色を悪くしながら、コクコクと頷いていた。

「皆の者、せっかくのダンスパーティーを台無しにしてすまなかった。せめてもの詫びにワインと果樹水を土産に用意させている。だから、心ゆくまでパーティーを楽しんでほしい」

 それを合図に音楽の音色が聞こえ始めた。
 やがて、ホールはダンスパーティーが再開され、ダンスや歓談にと場が賑やかになっていった。

 一連の采配はつけ入るスキのない殿下の独壇場。
 失態を犯した王太子とは雲泥の差。

 場を仕切るスキルがお見事過ぎました。

 皆に謝罪して土産という名の心付けまで用意する周到さ。
 殿下の心遣いに生徒宅でも好感度が爆上がりするのではないでしょうか。王家の評判にもかかわるような事態を逆手に取り、この機を逃さない殿下はさすがです。






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