【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~
「お礼です、吸血鬼さんも身体に気をつけてくださいね……」
私は少し、そう、近所のお姉さんが朝の挨拶で微笑んでくれる仕草を真似して言った。
ニコッとして、ちょっと顔を傾かせて……そのあと颯爽と歩くの。
同時に、ピンポーンと来客の合図。
「あっ……いらっしゃいませー! あ、ありがとうございました! ご自愛くださいませね!」
お客さんがなだれ込んできて、私はそれに紛れるように栄養ドリンクを置いて店を出た。
後ろをちょっと振り返ったら、吸血鬼が栄養ドリンクを手に持って、指差して、ペコペコしてた。
ゴジアイ? ってなんだろ。
それより、うわー私……すごい事しちゃった??
差し入れ……?
プレゼント?
引かれちゃったかな……?
だって、でも、吸血鬼だって……人間と一緒だもん。
もっと、みんなが優しくしてあげないと……。
私が優しくしてあげないと、なんて……キャ!
妄想して家に帰ると、私なんかより家族みんなが真っ赤な顔をしていて慌てて看病した。
お母さんはちょっと良くなったら、すぐに家事をしようとするから私も色々手伝った。
そして家族全員がよくなった……!
と思ったら、私がインフルエンザになった。