恋愛日和 〜市長と恋するベリが丘〜
Spot9 サウスエリア
翌週土曜日の午前十時半。
「おはようございます。お待たせしちゃいましたか?」
「おはよう。いや今来たところだけど、なんで待ち合わせがここなんだ?」
胡桃が壱世を呼び出したのはサウスパークの片隅の人気の少ない場所だった。
「それに〝できるだけカジュアルな服装〟に〝車じゃなくて徒歩〟〝歩きやすい靴〟で来いって何だ? 遠足にでも行くのか?」
壱世はブルーグレーの半袖シャツに黒のパンツ、前髪は下ろしているというスタイルだ。
胡桃も白いTシャツにベージュのテーパードパンツ、それにショルダーバッグで動きやすそうな服装をしてきた。
髪は一つに結んでいる。
そしてなぜかコンパクト一眼レフを持っている。
「うーん……遠足というより、社会科見学? 壱世さん、目立ちそうだからあんまり人通りが多くないところで待ち合わせしたかったんです。お家がサウスエリア寄りで助かりました! 最初からあまり歩かせても申し訳ないので」
壱世の家はサウスエリア寄りのノースエリアにあるハイグレードレジデンスだった。
胡桃は彼のファッションを上から下までチェックするように見た。
「んー……」
顎に手を当て、眉間にシワを寄せて難しい顔をする。
「何?」
「まだちょっと栗須市長っぽいですね。Tシャツにしてもらえば良かったかな」
ブツクサとつぶやきながら、胡桃は自分のバッグをゴソゴソとあさった。
「これをかけてください」
「おはようございます。お待たせしちゃいましたか?」
「おはよう。いや今来たところだけど、なんで待ち合わせがここなんだ?」
胡桃が壱世を呼び出したのはサウスパークの片隅の人気の少ない場所だった。
「それに〝できるだけカジュアルな服装〟に〝車じゃなくて徒歩〟〝歩きやすい靴〟で来いって何だ? 遠足にでも行くのか?」
壱世はブルーグレーの半袖シャツに黒のパンツ、前髪は下ろしているというスタイルだ。
胡桃も白いTシャツにベージュのテーパードパンツ、それにショルダーバッグで動きやすそうな服装をしてきた。
髪は一つに結んでいる。
そしてなぜかコンパクト一眼レフを持っている。
「うーん……遠足というより、社会科見学? 壱世さん、目立ちそうだからあんまり人通りが多くないところで待ち合わせしたかったんです。お家がサウスエリア寄りで助かりました! 最初からあまり歩かせても申し訳ないので」
壱世の家はサウスエリア寄りのノースエリアにあるハイグレードレジデンスだった。
胡桃は彼のファッションを上から下までチェックするように見た。
「んー……」
顎に手を当て、眉間にシワを寄せて難しい顔をする。
「何?」
「まだちょっと栗須市長っぽいですね。Tシャツにしてもらえば良かったかな」
ブツクサとつぶやきながら、胡桃は自分のバッグをゴソゴソとあさった。
「これをかけてください」