両手から溢れる愛を
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昨日も雨が降っていた。
9回目の相合傘。
一つの傘で帰る私たちを、容赦なく雨粒が打ちつけた。
途中からものすごい土砂降りになって、もはや傘なんか意味をなさなくなったから雨宿りをすることになって。
もう何年も前にシャッターの降りたタバコ屋。
その軒下に避難して、勢いを増す雨を眺めていた。
「やべっ、めっちゃ濡れたわ」
「私も足とかすごい」
鞄からタオルを取り出して濡れたところを拭き取っていく。
三島もだいぶと濡れたらしく、ガシガシとタオルで至る所を拭いていた。
あまりにも力が入りすぎていたのか、拭いた勢いでタオルが三島の手からすぽーんと離れて、私の足元へと着地する。
落ちたよと、それを屈んで拾おうとして、その手が重なった。
三島のタオルに集まった私の手と、私よりも随分と大きい三島の手。
「えっ」
多分、お互いびっくりして、伸びた手を辿って視線を上げれば、かなり近い距離に三島の顔があって。
その瞬間、まるで時が止まったかのように動けなくなってしまった。