一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「塁」

私は、昔みたいに呼び捨てにして声に出した。
やっぱり、こっちがしっくりくる。

"塁さん"なんて、呼びづらいし違和感しかなかったから。

中学の頃、すっかり私から離れて行った塁に対しての、少しの抵抗だったのかも。

塁は、また瞳を大きくする。

「私、塁の妹じゃないよ」

「、、、、、、、。」

塁は、少し顔を歪めたと思えば、車から降りてしまった。

はぁ。ダメか。
帰れってか。

そして、助手席のドアが開けられ、黙って腕を掴まれて降ろさられた。

勇気出したのに。

私はもう、恥ずかしくて顔を上げられない。

塁は、そのまま私の手を引いて、エントランスに入っていく。

「鍵」

そう言われて、鍵を開ける。

部屋までは送ってくれるらしい。

それでもいい。
1秒でも長くいたかったから。

そして、エレベーターに乗り、部屋の前まで着いた。

だから早いって。
もうすっかり、酔いも覚めてしまった気がする。
というか、心臓がうるさすぎて、わけがわからなくなっている。
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