一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
一瞬で、あの時の俺が蘇る。

ヒカリにブランケットをかけて、、
かわいいと思って、、、

絶対に知られたくない。
絶対に。


俺は、なんとかその後も何事もなかったように振る舞った。

昔の自分と、今の自分の後ろめたさに押し潰されそうになりながら。



寝る前も、考えてしまう。

結局ヒカリを好き放題抱いて、こんな関係を続けている自分に。

ヒカリを前にしては欲望に勝てないんだ。
俺は。

お前が欲しいと、渇望しているんだ。

心が。身体が。

この歪んだ愛を、お前は受け止めてくれるだろうか。


そして気づく。


俺はヒカリに受け止めてもらいたいのか?
知って欲しいのか?
全てを打ち明けても、こんな自分を愛して欲しいと思ってるのか?

でも知られたくない。
言えない。
嫌われてしまいそうで。

ははは。
ヤバいな。本当に。

矛盾だらけで呆れる。


それでも、今の俺は間違いなく真っ直ぐにヒカリを愛している。

誰を身代わりにするわけでもなく、ヒカリだけを思ってる。

この愛は、伝えてもいいんじゃないか?


そして、ヒカリを抱きしめて眠りについた。

心の中で、愛してると言って。
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