一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
そんな風に思っても、結局いつも通り何も出来ないまま月日だけが過ぎていった。


今日は、仁の店に来ている。

すると陽平もちょうど来て一緒に飲み始める。

陽平は、正月のプロポーズも上手くいって、あっという間にバレンタインの日に入籍まで済ませてしまった。

俺は、人生の半分以上、何も出来ずにいるってのにな。

この違いはなんだよ。
んとに。

「そろそろ、ホワイトデーだな」
陽平が呟いた。

「お前、そういうの気にするタイプだったっけ?」
仁がドリンクを作りながら、そんな事を言う。


「ホワイトデーね、、、」
俺も何か、、


「え?お前、何?誰かいんの?」
仁がすかさず俺に聞く。

「いねーよ」
いるけど、言わない。

「んで?陽平、なんかすんの?ここ予約とっとくか?」

「んー。どうすっかな。俺、サプライズ的なの向かないんだよな。兄貴と違って」

「あはは!純平は特別バカだからな!」
仁が笑ってる。
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