一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「ヒカリ、、、。」

揺れる瞳で一度私を見つめる。
そして、決心したかのように話し出した。

「俺が完全に自覚して、ヒカリを女として見てたのは、お前が高一の夏休み。引っ越してから初めて家に遊びに来た頃だ」

「そんなに前?」

「ああ。でも本当は、俺が中1の時にはもう、、」

中1って、、確か、、、

「塁が、私達と遊ばなくなった頃だ、、」

「ああ。お前はまだ小3くらいだな。」

塁はそんな自分を嘲笑うかのようにフッと笑った。
辛そうに。

私も言わなきゃ。
言いたい。ちゃんと。

「塁。私ね。今まで、フラフラしてたのは知ってるよね?
でもね、いつも違う。いつも物足りない。そう感じてたの。」

「ああ」

「私気づいてなかった。」

「何を?」

「私、塁が遊ばなくなった頃、寂しくて。
でも幼くて、よくわかってなかった。
大人になっても。
でも、塁と初めて抱き合った日にすぐに気づいたの」

「え?」

「私は、ずっと塁を求めてたんだって。ずっと塁を探してたって。心も、身体も。だから、他の人じゃ埋められなかったんだって。
塁じゃないと、ダメだったんだって。」
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